北海道の生活史
岸政彦 監修 北海道新聞社 編
150人が語り、150人が聞いた 北海道の人生
A5判、1280頁、定価4,950円(税込)
2026年1月21日発売予定
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生活協同組合コープさっぽろ60周年協賛事業
「北海道の生活史」プロジェクトについて
「北海道の生活史」プロジェクトは、北海道の様々な人の人生を聞き取り、記録することを目的としてスタートしました。京都大学大学院文学研究科教授の岸政彦先生に監修いただき、聞き取りの手法も岸先生が編集した『東京の生活史』『大阪の生活史』(いずれも筑摩書房刊)、『沖縄の生活史』(みすず書房刊)のスタイルを取り入れました。
事務局の北海道新聞社は「身近な人の人生を書き残しませんか?」と、新聞紙面やネット上で「聞き手」を募集しました。応募者が多数いたため、岸先生と北海道新聞社は150人を決定するための選考会と抽選を行い、「聞き手」を決定しました。
その後、「聞き手」を対象に、取材する際の準備や心構え、聞き取りの進め方などを岸先生から教わる研修会を開催。語りの音源を文字に起こし、原稿にまとめる過程では「相談会」を複数回開催し、その都度、岸先生からの助言を受け、一次原稿を執筆しました。「聞き手」による編集作業、「語り手」による掲載内容の確認を経たうえで、修正を加え、それぞれ作品として仕上げました。
150本の作品は、このようなプロセスにより完成されたものです。
目次
- めちゃくちゃすごく険しくて強くて。ありのままの自然でいてくれてる感じがするんですよ 聞き手=阿南佳汰
- 茶路にいたおばが、自分の着物の帯で作ったリュックサック。しょわせてくれたんだわ。それにね、帰り……。母さんのお骨いれて帰って来たの。私がしょって 語り手=阿部頼枝 聞き手=阿部花菜
- そうですね。でも、ラーメン屋さんでクビになったんですよ。ちょっとですね、ご飯を食べ過ぎまして 聞き手=阿部萌
- 何かの問題起きた時に対処の仕方が「ちょっと、なんかお前政治家みたいだな」みたいなこと、言われる事あるんだけど(笑) 聞き手=雨谷美枝
- だからまぁ、函館のね、あの感じねぇ、やっぱり冬だけどなぁ。冬はいいよねぇ 聞き手=有馬玲
- HEROっていう名前をもらったんですよ。私たちのデート場所だったから、思い出の場所だったんですよね 語り手=田島千鶴子 聞き手=石岡丈昇
- 「街がこんだけ作られていく場所が通勤圏内にあるなんて人生でないから、引越したんです」って言っても、通勤圏内?みたいな反応はされるんで 聞き手=石田瑞穂
- ほんとね、全部は引き継げてないのかもしれないけどね。でもなんか……その、芯の部分はね、しっかり引き継げたかなって、うん 語り手=田口清子 聞き手=伊藤由起子
- お店の経営についてもそうだけど、一喜一憂しないっていうのがなんとなく自分の持ち味なのね 語り手=福居康子 聞き手=井上由美
- 人に自慢できる、かな。うん俺、漁師って。もう子供も一緒に働いてんだーちって 聞き手=伊原希望
- あれは本当に感動した。あれは後にも先にも、いや先はわかんないけど、ああ、すごいなって思ったよね 聞き手=井平日菜
- とっても赤い素敵な着物があって。ずっと見てたら、お母さんが、サッと取ってきてくれた。それはなんかね、宝物にしてた 聞き手=上田真澄
- 俺ね、いっつも思うんだけど、いろんなことやったけどね、必ずその、救いの神みたいのがいたんだ 語り手=菊地幸男 聞き手=植村友貴
- どこの誰かもわからないような人だよ。それを自分の孫を汽車に乗せていってくれ、だからね 聞き手=魚住智広
- 信じるものは、最後は自分しかいないんで。生きる、死ぬという覚悟、そういう中で生活してたから、くよくよしたってしょうがないんで 聞き手=S.H
- ウイルタ刺繡してて、「頑張ってるね」ってみんなに言われると、頑張ってきたかいがあったかな、みたいに思うよ 聞き手=海老名熱実
- 貧しいのにね。そう、幻灯機 聞き手=大久保雪絵
- でもどういう……わかんないんだよな。どういうことでそんな北海道に行ったのかさ。そんな寒いところに 聞き手=大埼明子
- 子どもって、親がどこで知り合ったのかなんて興味がないし、ある程度になって聞きたい時にはもう親はいないし 聞き手=大崎香織
- 冬になると、馬そりってわかるかな、馬が引っ張るね。それで石炭を運んでくるわけ。家の前まで。馬が 語り手=沖崎愛弓 聞き手=太田夢
- 小学校何年生だろ。5年生から中3までかな。何がきっかけかわかんないんだけど、ずっとさ。いや、言おうか迷うな(笑) 語り手=大野玲子 聞き手=大野慶
- だからずっと一生に残るんだよ。大人の8年だったらもうすぐ経っちゃうけどさ、子供の8年ていったらもう、もうふるさとみたいな 聞き手=邵・大原聡子
- 俺がやっている頃は、結構まだ馬忙しかったんだよ。だけど、段々減るの分かってるからねぇ。何とか考えんきゃ駄目だなぁって 語り手=高松清 聞き手=大参智
- 全部母に結びつくんだよね。自分の人生よりも母の人生 聞き手=大箭朱音
- 母親から、もう手遅れだったっていうことを聞いて、こんなのは本当にもうやってられないなって思って。そしたら母親が「何言ってんだ!」って本当に強く 聞き手=緒方恵美
- それね(笑)。山登り。羊蹄山。知ってるかい? 語り手=小川巌 聞き手=小川竜太
- 祈りが叶うのであれば、いろんな人が困らないじゃないですか。もう一歩何かしなければならないのに、何なんだろう、これは? 語り手=西千津 聞き手=奥田容子
- 「必要ないそんなもん覚えなくていい」というのが習わしだった。学校も親もそうだ 語り手=川奈野一信 聞き手=小田島玲
- 鹿児島の女だなあと思うよね。薩摩の女ですよ! 聞き手=尾曲香織
- なんかそれでもいいのかなぁっていう。この適当さ、これがね、北海道の人間なのかなと 聞き手=表谷脩平
- ダイナマイト入れて、爆発させて、あと、手でトッテンカントッテンカンして、やっていって、側溝作ったもんだ 語り手=須藤俊治 聞き手=貝塚円花
- いっぱい、いっぱい点をつくって。それを、点を、結んでいって、こういうことかなとかって 語り手=伊達元成 聞き手=片平深雪
- 母さんには何とか生きていてほしいと思った。それで防空壕を掘り始めたんだよ。やっと深さ50センチくらい掘ったところで終戦さ 語り手=牧野つや子 聞き手=勝浦恭子
- あと50年、100まで生きるとしたら、あと50年あるわけで。50年は、なんか、丁寧に生きたいって思いました 聞き手=嘉手川玲
- 死んでから俺はこんなにやってやったんだぞって言うのをみせたかった 聞き手=加藤玲
- 何とかかんとか続いてるのは、他の仕事もやってるから。誰が映画館をやるにしても大変ですよね。やんなさいとも言えないですね 語り手=三上雅弘 聞き手=加藤敦
- その人をお昼とかどっかに個人的に呼び出して、「実はな……」って話になるわけよ 聞き手=加藤正巳
- だからね、だから、1カ月だったら、北海道って 聞き手=金榮知子
- いやぁもうなんせね、あんまり儲からんかったの畑で。いい作物作らないばならないのよ 聞き手=鎌田翔至
- 学校が遠くってね。途中で木の橋を渡るの。学校へ行くときは毎朝、縄で兄貴と一緒に縛って行ったの。途中で離れないように 聞き手=上村育子
- サービスが必要になった時って、本人が選べないことが多いんですよ。どこを選んでも少しでも安心になるような仕事がしたいなと思って、調査の仕事をやっています 語り手=小野寺さゆみ 聞き手=亀山裕樹
- もう上條恒彦と倍賞千恵子のジョイントコンサートなんてもう楽しくて楽しくて楽しくてね! 聞き手=カワムラリエ
- それで元旦那に電話したのよ。携帯に電話したら。あのねって。こういうの来たけど、どうしてくれるの?っつったら、「俺に死ねっていうのか」ガチャって切られた 聞き手=岸政彦
- 周りからね、老人の希望の星って言われて。希望の星だって言われて。そしたらもうおだっていくらでも描きたくなったんだよね 聞き手=栗原希世子
- もう本当に歌が自分の人生の中で救ってくれたからさ、お酒もだったけど。歌は私から取らないでって 聞き手=來嶋路子
- そしてあの、稲荷神社のそこの所まで行けばね、こうやって行けばあの、なんとなくそのあれ、岩内燃えてるのが見えるんだ 聞き手=K.S.
- 議決機関だからね。だからまあ、女は1人もいないけども、まぁこの歳になれば怖気付くこともないし(笑) 語り手=畔木節子 聞き手=小泉柊介
- だからここの会社止まったらね、寂しくなりましたよ。朝も晩もなく、機械の音聞こえてましたでしょ。それがね、無くなったからね 聞き手=コウイチ
- 人生は無駄がないと思う。でも戦争の経験っていうのはやっぱりつらい 聞き手=河野紫杏
- ずっと犬や猫や、ずっとずっといたよ。うちでいないことってないよ。音威子府にいる時もいたね 聞き手=児島功和
- 私なんかいじめられないよ。きょうだいいっぱいいるから。同じ町にいっぱいいるからよかったんだ 聞き手=小沼多恵子
- 「お前は本当に苦労ばっかりだよな」って。でもそんなに大して苦労と思わないんだけどさ。もうずーっと走ってる感じかな 聞き手=小林幸子
- 俺自分だけで考えたってもう、ね。60年や70年なるんだから、じいさん時から考えたらもう、ふっふ、100年ももう 語り手=佐藤岑夫 聞き手=小林由里
- やっぱりね、その人の一生は1回だから。生きたいように、やるべきじゃ。な? 語り手=紺野勝榮 聞き手=紺野奈央
- ねえ、この1回落ちた、便所に落ちたスリッパの上に、旦那さんが缶ビールを置いてさ 聞き手=今野雄大
- それは今も覚えてるけど、だいたい馬橇。まだ雪降る前だったら、もちろん馬車で引っ張ってね、トロッコの荷台。あれで来る 聞き手=斉藤千佳
- 僕はね、札幌で生まれて、ずっと札幌から離れたことがないんです。この90年間。ずっと札幌なんですよ 聞き手=齊藤ゆずか
- それで叔父さんの部屋に行って、その時にトランプをもらったの 聞き手=坂本建一郎
- 聖書の一節をNさんが朗読して、「今日も1日皆さん、一生懸命働いてまいりましょう、働かざる者食うべからず」 聞き手=相良守人
- だからね、やっぱり気になるんだな、と思って。あの大通公園の、本当にどの像よりも、私にとってはすごく大事な像 聞き手=佐々木桂子
- 恥ずかしいから、消しゴムで消したいなって思った時期もあったの 聞き手=佐々木紅
- ただ預けられてるだけで本当はどっかの金持ちの息子なんだ、俺はって(笑)。っていつも思ってた 聞き手=佐々木ののか
- あのとき母が言った言葉は「ああ、いい時代に子供育てた」って 聞き手=佐々木雅江
- 私の夢は、お母さんが残してくれた反物で、Yに着物を1着作ってあげられる日が来たらいいなぁって。お母さんが残してくれたものだからさ 語り手=島貫いず美 聞き手=佐々木裕美
- 3姉妹とも本当によく母に言われたのは、「迷ったら厳しい方行きなさい、逃げたらダメだよ。今逃げたって絶対同じこと来るんだよ」って 聞き手=笹本アキ
- みんなでソリに乗ってある程度いったらポンって降りて、また歩いたりしながら、学校に行ったり、帰ったりしてて 聞き手=佐藤聡子
- だから、パチンコに負けたら学校行ってたの 聞き手=佐藤奈月
- 私、呑気だわ。時代もあったかもしれないけど、私が呑気だわ 語り手=伊達君代 聞き手=佐藤優香
- 今日の仕事の中で僕は古本屋として一番大事なことをしたなって思ったのは、雪かきだったっていう 語り手=吉成秀夫 聞き手=佐藤優子
- 本屋さん、なくなっちゃうの?って。なくなっちゃってるの? 聞き手=里形玲子
- 最初はそんなプランではない。最初は日本は1年ぐらい。でも、仕事の契約1年、アァもう1年、もう1年。今32年 語り手=アマンダ・ハーロ 聞き手=下口恭子
- やっぱり自分がやりたいことしかできない 聞き手=城絢子
- ちょっとでも役に立ちたいんでっていう環境の中で、教育をできたっていうのはよかったですね 聞き手=白岩伸也
- 運命っちゅうのはな 語り手=佐藤俊二 聞き手=杉本由美子
- うん、本なんか買う状態でなかったもんね。中学になるまで辞典も持ってなかった。辞典があるのも知らんかったな 語り手=鈴木努 聞き手=鈴木元太
- 何か欲しい物をゲットした時とか、そのしあわせはその時しあわせだけどそれですぐ終わるじゃないですか 聞き手=鈴木精良
- とにかく、自分が楽しければ、子どもも楽しい、子どもが楽しければ親も楽しい、それが基本だったんですね 聞き手=清野花帆
- 完全に俺はかなり田舎モンなんだっていうね。浪人した時からそういうことは2回くらい。やっぱり田舎というかさ、モノ知らなかったんだっていう意識したね 聞き手=清野儒仁
- 夕方になったら向こうの方にね、夕陽がこう、沈むんだ。空、真っ赤にして。あれもきれいだなあと思って、こうやって見てるよ 聞き手=染谷楓
- うちの家内も結構ひどい目にあったさ。朝来たら、酔っ払いが車中で寝てたみたいなこともあって。どっから入ったんだべってね 語り手=坂本忠義 聞き手=田隈佑紀
- お前たち、海に飛び込んで日本に帰れ! 奴隷にされるぞ、早く逃げろ‼ 語り手=神馬文男 聞き手=建部奈津子
- 北海道の歴史っていうのは、開発局と土建屋に自然を餌食にされた歴史です。そう私は思ってます 聞き手=田中健太
- お花を活けてて「なんて楽しいんだろう」「ああ、私って本当にお花が好きだったんだな」っていうのが、そこで初めて 聞き手=田中秀典
- 呼んでくれる人がいるんですよ。呼んでくれて、北海道からバンドが来るぞって言ったら、物珍しくて人が集まるんですから 語り手=中原直彦 聞き手=田中真奈美
- 2歳の時に戦争で負けたのね。4歳の時に樺太から引き揚げてきたの。連絡船に乗って 語り手=加藤宏光 聞き手=田中美紀子
- そしたらおふくろがね、デッキのところからリュックの米をぽーんと。冬だから。したら雪の上どさっと落ちる 聞き手=田中幸枝
- 1000円の金も稼がないことは、本当は食うに困らないと思ったけどさ、やっぱり困ったんだよね 語り手=亀本礼子 聞き手=棚木美由紀
- 訳のわからないバカ息子が、借金も気にしないで、やるって言い始めて 聞き手=智慧
- お父さんと結婚してさ、だから落ちこぼれ同士の結婚なんだろうって、それから頑張らなきゃならんと思ったね 聞き手=近森由佳
- 「君は何やってたんだ」って言うから、大学院にいましたって言ったら、そうか、じゃあすぐ大学院に戻れとかって言われてさ(笑) 語り手=平田修二 聞き手=塚本尚紀
- ああ、放牧してある、ここの牛、幸せねって言いながら通りますよ 聞き手=土田映子
- もう本当に迷惑はいっぱいかけられた。かけられたけど、それに匹敵するくらいお世話にもなってる。だから忘れられないね 語り手=國枝美喜子 聞き手=永田楽
- 田舎だからってバカにしないでくださいってね。子どもだからっていってバカにしないでくださいっていう感じで 聞き手=長津詩織
- 今、自分が生きてる場所で、自分が感じていることを最も象徴的に表す季語を選ぶんだったらいい 語り手=五十嵐秀彦 聞き手=中西亮太
- 豚が逃げ出すわけ、昼間。母さんのいない時に限ってね、逃げ出すの 聞き手=長野智子
- 子供のそういうことには、なんていうか、惜しみなくね。行きたかったら頑張ってっていう感じで 語り手=中村利子 聞き手=中村愛理
- イカ釣り漁船に漁火の電灯がついて。出港するとね、漁火の電灯が海面に反射されてきらきらと輝いて、それがもう綺麗で綺麗で 聞き手=中村詩織
- 20代までは、戦う力が大事だった。何が自分をドライブしているのかっていうと「怒り」 聞き手=成川航斗
- 思ってるだけ、考えてるだけでなくて、何か行動を起こさなきゃっていう、そういう思いが自分のなかに湧き上がってきたのは確か 聞き手=南部桂裕
- 小樽じゅうの喫茶店を制覇するって言ってさ 聞き手=能町みね子
- 人の苦しい金取ってきたんだから、ちゃんと取られるようになってんだもん 聞き手=野々花子
- 「自分のところだ」って。「自分のまちだ」って 語り手=吉田明 聞き手=長谷川実
- だいたい毎年のようにあったよな、水害が。だから、米を作ってるのはさ、米は稲の穂さえ出てれば助かるのさ 聞き手=花岡俊吾
- 自分の城がようやっと見つかったんだから 聞き手=はなこの娘
- 苦労なんて知らない。知らないことや失敗が多いから、面白いんだよ 聞き手=羽地夕夏
- してるんだけど、なってるかな? 聞き手=幅田悠斗
- 寝る時は川の字になってさ、いつも本読んでやって、そして暮らしてたなっていうのを思い出すの。それって、何物にも代えがたい 聞き手=暖
- もういいよ、好きなことに使いなさい、使いなさいって。棺桶の中にね、札束なんか入れられないんだよっていう 聞き手=東万里江
- フィルムで撮ってやれば同じことは繰り返せる。でも芝居はできない。そんなとこに足突っ込んじゃったんだよね 語り手=任泰峰 聞き手=平沖崇徳
- 自分がやれば何かできるっていう、その手ごたえみたいなものが、そこで一気に、なんかこう自分のところに来たんですよね 聞き手=平川敦子
- あはは。あのすもも美味しかったもん 聞き手=平野ゆり子
- はああ、棟梁って偉いんだって。そして背広着たままでしょ。ああ、俺もああいう風になりたいなと思った。それがきっかけさ 聞き手=廣岡俊光
- 国道は、あの当時ね、開通していなかったのを除いて全部走って、道道もほとんど走った 聞き手=廣瀨史帆
- 見えないから、というより、見えなくても、の方が良いかなと思う 聞き手=広瀬由美子
- だから真面目になって、今、自転車に乗ってるでしょ 聞き手=藤江開生
- 冬になると、つららの透明度。どのつららが一番透明度が高いのか、集めてみたり。並べたつららから滴る雫のスピードを比べてみる 聞き手=文月悠光
- 地球から離れて月を越えてずーっと行って銀河系が広がるんですよね。その中に音を届ける。言葉にすると気持ち悪いでしょ(笑) 語り手=愛海夏子 聞き手=平民・T
- 地域というものは札幌の人の目には見えないのかなって今でも思いますもん 語り手=佐藤広也 聞き手=星瑞希
- 洗面器でご飯炊いて食べてたの、びっくりしたって書いといて 聞き手=堀川真
- 人に甘えるとか猫撫声のないねこだったから 聞き手=堀口りょう子
- そん時代、そん時代の苦労っていうのはあるけど、わたしもねえ、あん時は若かったからがむしゃらに出来たんだろうね 聞き手=本間珠美
- 母にだよ! 「お前、ちょっと見てきてくれ」ってね、自分がちょっかい出した女性なのに! 聞き手=正岡美和
- 2ドアの車で家族4人で日本縦断 聞き手=真境名育恵
- 馬橇の中にね、あんかが入っていて。そこに、お布団にくるまってね。馬がくつわでリンリンって鳴らしながらね、おじいさんの家に行った 聞き手=町田紗季子
- 最初からそう思ってたんだよね、出た日が第二の誕生日って。自分でなんとなく 聞き手=松井翔惟
- 山がある所が、私には山が必要だから 聞き手=松浦秀太
- 朝の10時9時前ぐらいに、私んとこドンドンドンドンってやるから。したら母さんさ 聞き手=松浦年男
- 18で夕張から札幌に出た時、びっくりしたもん。家賃取られるって知って。銭湯でも取られる。映画でも取られる。なにこれと思った 語り手=高村剛志 聞き手=松岡理絵
- 僕、世界への衝動は失っていないですよ。大人になるって結局そういうことじゃないですか 聞き手=まるやまころん
- テレビでは最近お化けが出るとか言ってるけど、失礼な話だよね 聞き手=三浦啓子
- もう揚げ終わったころには油に酔って、食べられなくなってた。天ぷらはそうでしょ、そしてお寿司握ったのも時々話すでしょ 聞き手=光井友理
- 「奴隷船の船長だ」って言われたんだよね 聞き手=宮崎由希
- おかげ様で物がない事に対する苦痛がないんだよね 聞き手=武藤有希乃
- 自分が一番不幸だと思ってたんですけどね。だから、世界最下位から世界1位になったんですよ 聞き手=村上慧
- カナリヤは女の人の人気店でした。戦争が終わり、何となくおしゃれをしたい気分で町中溢れていました 語り手=井川ミツ子 聞き手=村上陽子
- 当たったらそうでもないんだよ、こんなちっちゃい石だから。ひゅっとこう見たら星見えるんだ(笑) 聞き手=杢田
- 多分、生まれる前から(神様に)捕まってたんだなって 語り手=岡田薫 聞き手=持田誠
- 牛飼う建築家っていうのはなかなかいいような気がするって、あんまり深く考えないでそういうふうに言って 聞き手=森田千琴
- 円山市場の人とか、うちみたいな商店の人が、ビールとかそういうものを路上で売ったんですよね。それはもう思い出が深いね 聞き手=八木亜紀子
- その日も弟をね、ソリで引っ張ってた。猛吹雪の中。その時エイプリルフールって言葉を初めて覚えた 聞き手=山下茜
- 帰ってきたらすぐ鞄置いて、プラモデルと風呂バケツ持って行って。プールはあったんだけど深いから、遊ぶとしたら銭湯 聞き手=山田みえこ
- 辛い。辛い、辛い。全然全くやりたくないし。だからそれも自傷行為のひとつだよね、今思えば 聞き手=山田萌果
- どうかすると、夢のなかに出てきたりするけどね。ああ、まだ寿都鉄道が走ってるんだと思います 語り手=佐藤喜悦 聞き手=山本竜也
- 「楊婦人」って書いて、マダムヤンつって出たんだよ。17か。そうそうそう、あれはね、ちょっとね。ちょっとやばかったね 聞き手=ユコ
- 浮草のように流されて、流れに乗ってたらどこからか救いの手が伸びてきて 聞き手=吉田弥生
- 電車通り沿いにあったんだわ。おっきいホテルでね 聞き手=Y
- ああ、時代が変わっていくんだなって、子どもながらにそう思うじゃない。で、そこで家族が離散していくわけでしょ 聞き手=Y.M
- みんなして行ったよね。そして、映画見て、ちょうど学校の授業が終わるぐらいの時間に帰れるから、親は知らないんだよ、だから 聞き手=わたなべひろみ
- 私は何と複雑な星の下に生まれたのか、この時は本当のことを初めて知ったから、もう泣いた泣いた 聞き手=渡部純一
- 神社の木を運ぶときにスコップが無くなるとか、まさかりが無くなるとか、人が手を切ったとかって言うんだって 聞き手=渡会たか子
- あとがき 岸政彦
監修者紹介
岸政彦(きし・まさひこ)
1967年生まれ。社会学者・作家。京都大学大学院文学研究科教授。専門は沖縄、生活史、社会調査方法論。主な著作に『同化と他者化――戦後沖縄の本土就職者たち』(ナカニシヤ出版、2013)、『街の人生』(勁草書房、2014)、『断片的なものの社会学』(朝日出版社、2015、紀伊國屋じんぶん大賞2016)、『質的社会調査の方法――他者の合理性の理解社会学』(石岡丈昇・丸山里美と共著、有斐閣、2016)、『ビニール傘』(新潮社、2017)、『はじめての沖縄』(新曜社、2018)、『マンゴーと手榴弾――生活史の理論』(勁草書房、2018)、『図書室』(新潮社、2019)、『大阪』(柴崎友香と共著、河出書房新社、2021)、『リリアン』(新潮社、2021、第38回織田作之助賞)、『地元を生きる――沖縄的共同性の社会学』(打越正行・上原健太郎・上間陽子と共著、ナカニシヤ出版、2020)『東京の生活史』(編著、筑摩書房、2021、紀伊國屋じんぶん大賞2022・第76回毎日出版文化賞)、『生活史論集』(編著、ナカニシヤ出版、2022)、『沖縄の生活史』(石原昌家と監修、沖縄タイムス社編、みすず書房、2023)、『にがにが日記』(新潮社、2023)、『大阪の生活史』(編著、筑摩書房、2023)、『調査する人生』(岩波書店、2024)、『生活史の方法-人生を聞いて書く』(筑摩書房、2025) など
お知らせ
- 新聞2024.11.22
- 2024年11月22日付朝日新聞・朝刊オピニオン欄に「生活史」に関する岸政彦さんのインタビューが掲載されました。
朝日新聞デジタルの記事は一部有料です。
https://www.asahi.com/articles/ASSCN0FRZSCNUPQJ009M.html?iref=pc_ss_date_article
- WEB2024.10.09
- 特設webを開設しました
